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みらいのちかせんしゃちょう

未来の地下戦車長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁

青空文庫

これは、一郎が、少年戦車兵を志願して、めでたく入隊したことにより、この躍進の道が、ひらけたのであった。一郎は、まじめで、ねっしんだから、いつも、模範兵であった。

選抜試験をうけると、そのたびに通過し、まだ年も若いのに、その冬には、伍長になった。

今でも彼は、毎朝営舎で目をさますと、まず真先に宮城を遥拝し、それから「未来の地下戦車長、岡部一郎」と、手習いをするのであった。演習にいっているときには、土のうえに木の枝などをつかって、書くこともあった。

当時、一郎の隊長は、加瀬谷少佐であった。少佐は、一郎に目をかけて、特にきびしく教育をした。他の兵が、遊んでいるときも、一郎は少佐の前に坐って、いろいろむつかしい数学や技術の教育をうけた。それからまた、ときには、外国の研究などについても、少佐は、知っているだけのことを、話してきかせた。

ある日のこと、加瀬谷少佐は、若き岡部伍長をよんで、いった。

「岡部伍長。今日は、お前に、問題をあたえる。相当困難な問題ではあるが、全力をあげて、やってみろ」

「はい」

「その問題というのは、一、最も実現の可能性ある地下戦車を設計せよ――というのだ」