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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
決して、名誉な瘤ではなかったのである。
「係長さん。僕は今のところ、こうやって、毎日手習いをしているのです。そして、神様に祈っているのです」
「なんだ、たった、それだけかい」
「ええ、今のところ、それだけです」
「それじゃ、しようがないねえ」
係長さんは、はきだすようにいった。
「手習いしていちゃ、いけないのですか」
「いや、手習いは、わるくはないさ。しかし、われわれ技術者たるものはダネ、何か考えついたことがあったら、すぐ実物をつくってみることが必要だ。技術者は、すぐ技術を物にしてみせる。そこが技術者の技術者たるところでもあり、誇りでもある。――いや、むつかしい演説になっちまったなあ。くだいていえば、早く実物をつくりなさいということだ。考えているだけで、実物に手を出さないのでは、技術者じゃないよ。実物に手をだせば、机のうえでは気のつかなかった改良すべき点が見つかりもするのだ。おい、未来の地下戦車長どの。こいつは一つ、しっかり考え直して、出直すんだな。私は、たのしみにしているよ」
そういって、係長さんは、一郎の頭に手をやろうとした。
「おっと、おっと――」
一郎は、あわてて、体をかわした。