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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
工藤は、岡部の前へ来て、方眼紙にかいた設計図を、熱心にのぞきこむのであった。
「おい工藤。そう、お前の頭を前に出してくれるな。そして、しばらくだまっていてくれ」
「は。邪魔をして、わるかったでありますね」
「いや、邪魔というのではないが、お前がこえを出すと、とたんに、そこまで出かかったいい考えが、ひっこんでしまうのだ」
「そうでありますか。では、だまっております」
工藤は、ちょっとさびしそうな顔になって、自分の机の上に、本をひろげる。
そんなことがくりかえされているうちに、何時からはじまったか、岡部もよくおぼえていないが、工藤上等兵が、この部屋の出入に、きまってボール紙の函を携帯しているのに気がつくようになった。
「工藤。お前がいつも手に持っているその函には、何がはいっているのか。ばかに、大事にしているじゃないか。中には、菓子でもしのばせてあるのではないか」
「ちがいますよ。伍長どの。自分は、御存知のように、酒はすきですが、甘いものは、きらいであります」
「じゃあ、中には何がはいっているのか」
「は、この中には、ソノ、ええと、自分の身のまわりの品がはいっているのであります。