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ほんぽうしょうぞうちょうこくぎほうのすいい

本邦肖像彫刻技法の推移

高村 光太郎

線上閱讀高村 光太郎《本邦肖像彫刻技法の推移(ほんぽうしょうぞうちょうこくぎほうのすいい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,058 字 · 10 頁

青空文庫

その着衣服飾の如きも皆異国の風俗であって、日本人日常の触目とはまるでかけ離れて居り、ますますその超人間的様相をあつくした。四天王や十二神将のようなものでも、インドあたりならば、どこかで見た事もあるような甲冑を着ているわけであるが、日本ではただ何処か知らない霊界に於ける仏教護勇の役に任ずる大力の理想的荘厳としてしか観られなかった。螺髪はもともと熱帯地方のあのちぢれ毛の写実から起った彫刻的様式であったに違いないが、日本ではそういう意味を全部喪失して、ただ希有珍重な不思議としてのみあがめられた。インドに於いては今日でも眉間に宝玉を入れている女性を見かける。日本人の観る仏像の白毫はただ白毫光の象徴として存在するのである。

日本古来の彫刻はただ仏門のためにのみあった観がある。彫刻の技法がもともと仏教に随伴して輸入され、彫刻家とは即ち僧侶であり、或は僧門の人であり、後世専門的彫刻家が輩出するようになっても皆所謂大仏師であって、定朝以来皆法印、法眼、法橋のような僧綱を持していた。明治維新の頃までもそれは行われていたのである。日本の彫刻家は仏閣の関係無しには意味を持たなかった。