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とうきょうぶんだんにあたう
東京文壇に与う
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《東京文壇に与う(とうきょうぶんだんにあたう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,615 字 · 7 頁
けれど、たとえば、宮内寒弥氏はかつて、次のように書いて居られた。
「夫婦善哉は、何故か、評判がよくなかったが、大阪のああいう世界を描いた限り、私は傑作だと思った。唯、不幸にして描かれた男女の世界が、当代の風潮に反していたことと、それに、あの中の大阪的なものが、東京の評家の神経にふれて、その点が妙な反感となったのかも知れないと思う。これは、織田氏にとっては単なる不幸として片附け得ると思う。東京の評家というのは量見がせまいことになるが、東京の感情と大阪の感情の対立が、あの作品を中心として、無意識に争われなかったとは云い切れぬと思う。東京と大阪の感情は、永遠に氷炭相容れざるものと思う。だから、東京中心の今日の文学感情が、織田氏に反感を感じたことは、織田氏にとっては、それだけに大阪的であったということにもなるのであって、逆にいえば名誉である。おそらく、あの作品は大阪の読者にとっては、全々別な味がしたのではないか、と思われる」
私の作品に好意的に触れておられる文章故、いささか気がさしながら引用したのであるが、要するに、これをもって見れば、すくなくとも、大阪的な作品は東京文壇の理解するところとならぬのではあるまいか。