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いなかがえり

林芙美子随筆集

林 芙美子

線上閱讀林 芙美子《林芙美子随筆集(いなかがえり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 58,157 字 · 118 頁

青空文庫

「二人」は金が続かないので五号位で止めてしまいました。友谷静栄と云うひとは才能のあるひとで、その頃、新感覚派の雑誌、文学時代の編輯をも手伝っていました。私は、その頃童話のようなものを書いていましたが、これは愉しみで書くだけで少しも売れなかったのです。

私にとって、一番苦しい月日が続きました。ある日、私は、菊富士ホテルにいられた宇野浩二氏をたずねて、教えを乞うたことがありましたが、宇野氏は寝床の中から、キチンと小さく坐っている私に、「話すようにお書きになればいいのですよ」と云って下すった。たった一度お訪ねしたきりでした。間もなく、私は野村吉哉氏と結婚しました。大変早くから詩壇に認められたひとで、二十歳の年には中央公論に論文を書いていました。その頃、草野心平さんが、上海から薄い同人雑誌を送ってよこしていました。――世田ヶ谷の奥に住んでいました時、まだ無名作家の平林たい子さんが紅い肩掛けをして訪ねて見えました。その頃、私におとらないように、たい子さんも大変苦労していられたようでした。野村氏とは二年ほどして別れた私は新宿のカフェーに住み込んだりして暮らしていました。