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しおり
栞
小山 清
線上閱讀小山 清《栞(しおり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,536 字 · 7 頁
私達はほかの人達が勤めや学校へ行くようになってからも家に残っていた。そのことが私達を仲よしにした。私の母や千代ちゃんの姉さんから使いを頼まれると、私達は互いに誘いあって出かけた。
そのうち焼跡にバラック建ての校舎が復興して私達も学校へ行くようになった。私は浅草の学校へ歩いて通い、千代ちゃんは山谷まで歩いてそこから電車に乗って本所の学校へ通った。朝、登校の際には私達は連立って家を出て、隅田堤を通り、白鬚橋を渡って、山谷まできてそこで別れた。かえりに山谷の通りで偶然一緒になったこともあった。
私の父は義太夫の師匠をしていた。世間の様子が一応落着くと、それまでのように弟子や稽古の客が水神の家にも来るようになった。千代ちゃんは義太夫をきくのをめずらしがった。日曜日など、女の弟子が来て稽古をしている折に、千代ちゃんは耳を澄ましてきいていたりした。千代ちゃんは私になぜ義太夫を習わないのかと云った。私は義太夫はきらいではなかったが、べつに習いたいという気は起きなかった。そんな年でもなかった。もとより父母にも私を父の後継ぎにする気はなかった。
その年の暮ちかくになってから、私達は千代ちゃんの兄さんに見てもらって、夜の時間に受験勉強をした。