輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《桑の木物語(くわのきものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 39,815 字 · 79 頁

青空文庫

明らかには云えないから、ほかに例をとって話したのだが、正篤もそれと感づいたとみえ、「おれのことなら心配しなくともいいよ」こう云って微笑した。

順子姫の輿入れは三月中旬に行われた。しかし正篤は表御殿で寝起きをし、やむを得ない行事のほかは奥へはゆかなかった。――そのことではかなりむずかしいゆくたてがあったらしい。正篤の母の清香院にとっては、順子は血縁つづきであり、またひじょうな気にいりで、その縁組も彼女の意志でまとめたものだといわれる。――もうひとつはやっぱり早く世継ぎも欲しかったろうし、寝所を奥へ移すようにと、かなりやかましい督促があった。そのあいだに立って、勘右衛門と室井準斎がいろいろとりなしをし、正篤の躯が不調だからという理由を主にして、ごく自然に延期していったもようである。

その年も六月になるとすぐ下屋敷へ移り、早速またぬけ出しを始めた。舟仙ではみんな待ち兼ねていたが、なかでもおみつはこれまでにないよろこびようで、「お揃いの浴衣を拵えといたのよ」などと云って、自分で浴衣や三尺を出して来て、側に付いていて世話をやいた。

「悠ちゃん、三尺はもっと下へ締めるものよ、信さんももう少し下になさらなくっちゃ、――そう、ええ、いいわ、わりと柄も似合うわ」