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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《植物知識(しょくぶつちしき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,784 字 · 86 頁
そして日本にはスミレの品種が実に百種ほど(変種を入れるとこれ以上)もあって、これがみなスミレ属 Viola に属する。これによってこれを観れば、日本は実にスミレ品種では世界の一等国といってよい。
スミレ、すなわち Viola mandshurica W. Beck. は宿根草で、葉は一株に叢生し長葉柄があり、葉面は長形で鈍鋸歯がある。葉と同じ株から花茎を抽いて花が咲くのだが、花は茎頂に一輪着き、側方に向こうて開いている。花茎にはかならずその途中に狭長な苞がほとんど対生して着いており、花には緑色の五萼片と、色のある五花弁と、五雄蕊と、一雌蕊とがある。花茎は一株から一、二本、肥えた株では十本余りも出ることがある。そして濃紫色の花が、いつも人目を惹くのである。
五片の花弁中、下方の一花弁には、後ろに突き出た距と称するものを持っている。元来、このスミレの花は虫媒花なれども、今日ではたいていのスミレ類は果実が稔らない。そして花の済んだ後に、微小なる閉鎖花がしきりに生じて自家受精をなし、能く果実ができる特性がある。ゆえにスミレの美花はまったくむだに咲いているわけだ。