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しょくぶつき

植物記

牧野 富太郎

線上閱讀牧野 富太郎《植物記(しょくぶつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 165,848 字 · 327 頁

青空文庫

日本で古来薄の字をススキの名とするのは誤りで、それは丁度茸の字をキノコに誤用しているのと同一轍である。薄の字は旧くよりススキに慣用せられているがそれは決してススキその者の名ではなく、薄は単にススキを形容した文字に過ぎない。一体ススキはその茎葉が密に叢をなして株から生え互に相迫り集っているので、それでこの薄の字を古人がススキに充て用いたもので、つまり一つの仮り字である。すなわち薄の字はセマル意で、彼の薄暮の薄、あるいは肉薄の薄とその意義が同一である。この薄暮というのは暮れに薄まる事、また肉薄というのは人々互に押し合い圧し合い丁度今日電車に乗り込む時の様に相薄まる事で、ススキの場合もそれと全く同意味である。

ススキは山野の陽地に生じ往々山一面を覆うて茂り、また野一面に群を成して生えていてほとんどススキを見ない地は無い程である。もしもこれに大いに用途があったなら大した民用をなすのであろうが、只今それ程満点の利用も無いから従って徒に山野に枯れ果てる事が多い。

ススキは株を成し、地下には短かい多節の地下茎が横になり、それから鬚根を発出して地中から養分を吸収している。