輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《植物記(しょくぶつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 165,848 字 · 327 頁
ススキの花穂が高く挺出しているのは風を迎えるに都合が好いからである。
ススキの花穂を尾花(オバナ)といい、よく歌などに詠み込まれている。彼の山上憶良の秋の七種の歌にもこの尾花が出ている。その尾花が風に吹かれて靡いている姿は中々に風情のあるものと一般に相場が極っているが、暮夜に臆病ものがこれを幽霊と見たとは誠に殺風景である。
冬に入って断えず寒風に吹かれると穂上の枯花は漸々に散り去りて遂には花穂の骨ばかりとなり淋しく立って残っているのがそこここに見られるが、その時分は最早その葉も枯れ果てていて山も野も蕭条たる冬景色となり、時々白い霜がその枯葉におかれているのを朝早く見ることがある。旅に病んだ芭蕉の夢はこんな枯野をかけめぐったのであろう。
尾花には可愛らしい端唄があって安改元年〔一八五四〕頃から謡われ名高いものとなったとのことである。すなわちそれは、
「露は尾花と寝たといふ、尾花は露と寝ぬといふ、あれ寝たといふ寝ぬといふ、尾花が穂に出てあらはれた」である。
ススキにはいろいろと変った品がある。まずイトススキは葉の極めて狭長なものであり、シマススキは葉に白斑のあるものであり、タカノハススキは葉に矢羽の斑のあるものである。