輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にれのはな

楡の花

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《楡の花(にれのはな)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,545 字 · 4 頁

青空文庫

これは日本だけの話ではなく、外国でも偉い学者の伝記といえば、貧乏をして、いろいろな迫害を受けて、その中をどうにか切り抜けて、何かの発明をするとか発見をするとかいう話が多いようである。特に日本では、そういう話が受けるらしい。非常な大金持で、豪奢な暮しをして、遊びながらやった研究では、どんな偉い発見をしても、世の中の受けはあまりよくない。何となくそぐわないからである。

「先生方はさぞお困りでしょうね」とか「それくらいの研究費じゃ仕方ありませんね、何とかしなくちゃ」とかいうようなことを言わせておけば、世の中は御機嫌がよい。理由は極めて簡単であって、利害関係のない弱者に同情をするのが、一番いい気持なものであるからである。

ところが、その弱者にも案外強いところがあって、こういう環境を巧く利用して、一生安穏に暮して行っているわけである。ソ連がカピッツァを遇していたように、別荘を二つと自動車を三台と、それに研究費は無制限というようなことになったら、日本の大学の先生方は一たまりもないことであろう。少なくとも私なんか一日もつとまるまいという気がする。

そういう危いところへはなるたけ近寄らないことにして、楡の花と同病相楽しんでいる方が安全なようである。