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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

線上閱讀橘 外男《橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇(いきふどう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 198,400 字 · 387 頁

青空文庫

と、まぶしい光線に小手をかざしながら、若党の佐平治のホッとすまいことか! たちまち満面に喜悦をたたえながら、砂ほこりをけたててちかづいていきました。

万物を赤々とそめなしている、このあかるい光線のなかに、絵のようにクッキリとうきだしながら、おちついた足取りでこちらへむかってくるこのお小姓姿の少年は、なんという世にもうつくしいすがただったでしょう。

すきとおらんばかりに色白な、十六、七の前髪立ちの少年ですが、そのおもては熱気にむされてじっとりと汗ばみ、さくらいろにほんのりと上気しています。

そしてパッチリと見ひらいたまつげの長いひとみは、黒水晶のようなすずしさをおびて、紗のうすものの長いそでをひるがえしながら、裾長の絽のはかまをさばいてくるすがたの優美さ、あでやかさ! 水もしたたらんばかりの美少年というのは、こういうお小姓をこそさすのだと思われます。絶世の美女が、かりにそのすがたを、十六、七の小姓のすがたに、よそおいかえたとしか思われません。

「いや、もう、若さま、さきほどから主人がきついお待ちかねで、おひとりで石をならべ、苛れきって、ほとほとこまりぬいていたところでござります。