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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
」
同じ声である。次郎は自分の印象に残っている室員の顔の中から、声の主をさがしてみたが、まるで見当がつかなかった。
「そりゃあ、そうだね。」
と、ちがった声が相づちをうった。それはしかし、大して気乗りのした相づちだとは思えなかった。すると、また、しゃがれた声が、
「探検だの、室ごとの相談だの、まったく時間の浪費だよ。塾生活の設計だなんていったって、はいって来たばかりの僕たちに、そんなことができるわけがないじゃないか。ね、そうだろう。」
「じっさいだね。」
第三の声が、今度は心から共鳴したらしくこたえた。
そのあと、しばらくは、がやがやといろんな声が入りみだれた。どの声もいくぶんうわずった真剣味のない声だったが、しゃがれた声に相づちをうっていることはたしかだった。おりおり、何かを冷笑するような声もまじっていた。
そうしたざわめきをおさえつけるように、また、しゃがれた声がいった。
「だからさ、だから、もう相談なんかする必要はないよ。」
みんなは、ちょっとの間沈黙したが、すぐだれかが、
「しかし、懇談会がはじまったら、何とか報告はしなくちゃならないんだろう。」
「そりゃあ、報告はするさ。