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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁
先生は、すると、微笑しながら、
「君は大河の思わくなんかを問題にするまえに、君自身のことを問題にすべきだと思うが、どうだね。」
それは第二の笞だった。しかも、第一の笞よりはるかにきびしい笞だった。
「わかりました。」
と、次郎は眼をふせたまま頭をさげ、逃げるように塾長室を出た。
やがて朝食の時間になった。次郎は箸をにぎっている間も、ときどき眼をつぶって、何か考えるふうだった。
食後には、みんな卓についたまま、雑談的に感想を述べあったりする時間が設けられていた。次郎は、その時間が来るのを待ちかねていたように立ちあがった。そして、みんなに今朝の起床の板木のいきさつを話し、最後につけ加えた。
「ぼくは、ながいこと友愛塾の仕事を手伝わせていただいていながら、その精神がまだちっとも身についていなかったために、けさのようなあやまちを犯してしまいました。ほんとうに恥ずかしいことだと思っています。しかし、そのあやまちによって、開塾そうそう、大河君のような、友愛塾精神に徹底した、実践家の魂にふれることができたことを思いますと、一方では、かえってありがたいような気持ちもしています。