輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,572 字 · 209 頁
法師丸にはその病源の由って来たる所はよく分らない。しかしながら、自分の胸の中にある秘密の井戸から滾々と湧き上って来る快感が、少くとも病的の性質のものであることは、おぼろげながら気がついたに違いない。
死んでしまえば知覚を失うことぐらいは、彼にも分っていた等である。だから、首になって此の女の前に置かれることが幸福だと云う空想は、それ自身に矛盾があり、たゞその空想だけが楽しいのである。少年は、自分が首になりつゝも知覚を失わないでいるような妄想を描き、それに惑溺したのである。彼は女の前へ順々に運ばれる首を、一つ/\自分の首であるかのように考えてみた。そうして彼女が櫛の峰を以て首の頂辺を打ち叩くとき、自分が叩かれているように考える、―――すると、彼の快感は絶頂に達して、脳が痺れ、体中が顫えるのであった。それに、いろ/\な首の中でも最も醜いざまをした首、―――たとえば悲しそうな、又は訴えるような表情をしたものとか、何処か滑稽な顔つきのものとか、どす黒い汚い皮膚のものとか、よぼ/\の老人のものとか、そう云う首を「自分である」と想像する方が、花々しい若武者の首や勇士の首を自分にあてはめるよりも、一層彼を幸福にした。