輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,572 字 · 209 頁
と、最後にもう一度促したけれども、
「くどい!」
と云ったきり、相手は唇を固く結んで眼を閉じたまゝであった。
さるにても何者に頼まれて織部正を狙ひ候ぞと、問はまくは存じたれども、此の者の態とても白状いたすべしとも覚えず、すなはち首を刎ねて仔細にあらため候へば、歳の頃二十を二つ三つ越え候か、面立ち尋常にていかさま様子有りげなればいよ/\いぶかしく存じ、具足下を探り候ところ錦の袋を肩より懸けて肌身につけたる態也。袋の中をあらため候へば、小さき観音の像を厨子に収めて持ち候、又その厨子を包みたる紙を見ればやさしき女文字の文なり。………
で、「道阿弥話」に拠ると、その女文字は左の如く認めてあったと云う。
ちゝのむねんを晴らしさふらふにはおりべどのゝはなを討つべし、かならず/\いのちにはおよぶべからず候、このことかなへてくれ候へばむにの忠義たるべきぞ、あなかしこ
天文きのえとら七月
図書どの
―――河内介は戦場の砂埃の中でその紙片をひろげたまゝ暫く茫然と立ちつくした。して見れば、こゝに斃れている武士は此の文の宛名にある「図書」と云う者に違いない。が、此の文の差出人、「図書」