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たけだりんたろうついとう

武田麟太郎追悼

織田 作之助

線上閱讀織田 作之助《武田麟太郎追悼(たけだりんたろうついとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,277 字 · 7 頁

青空文庫

であった。

「雪の話」以後、武田さんは南方へ行き、沈黙した。報導班員として武田さんほど何も書かなかった作家は稀有である。奥床しい態度であった。帰還後一、二作発表したが、武田さんの野心はまだうかがえなかった。象徴の門の入口まで行って、まだ途まどいしていた。終戦になった。私は武田さんは何を書くだろうかと、眼を皿にしていた。そして眼に触れたのが「新大阪新聞」の「ひとで」であった。立派なものであったが、武田さんの新しいスタイルはまだ出ていなかった。しかし、私は新しいスタイルの出現を信じていた。今日の世相が書ける唯一の作家としての、武田さんの新しいスタイル――混乱期の作品らしいスタイル――「雪の話」の名人芸を打ち破って溢れ出るスタイルを待望していた。そんな作品がどこかの雑誌に載りはしないだろうかと待っていた。「人間」や「改造」や「新生」や「展望」がどうして武田さんの新しい小説を取らないのかと、口惜しがっていた。私は誇張して言えば、毎日の新聞の雑誌広告の中に武田さんの名を見つけようとして、眼を皿にしていた。(これは私一人ではあるまい)そして、見つけたのは「武田麟太郎三月卅一日朝急逝す」