輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こおりぐらのにかい
氷蔵の二階
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《氷蔵の二階(こおりぐらのにかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,201 字 · 37 頁
下に、赤いポストがあるのも愛らしい。房は、好物な苺のジャムをつけてパンを食べ、牛乳を飲んだ。飽きずに雨の音を聴いた。降る雨は一様でも、雫る場所によって音が違う。――
昼から房は下へ降りた。上って来ると、隣の芦沢の室の戸が珍らしく開いていた。廊下――房がその前を通って自分の室に行かなければならない――方へ、瑞々した丸髷を向け、派手な装の女が草履の鼻緒をなおしている。房が傍へ来ると、女は自然に頭を擡げた。
「いいおしめりですことね」
すらりとした調子であった。房は、顔を赧らめた。
「ほんとにね」
女は、はたはた前掛をはたいて立ち上った。
「ちっと寄って話していらっしゃいな、いいでしょう、今誰もいないんですよ」
気持よい女なので寧ろ意外であった。室は八畳で、安ものながら箪笥や長火鉢や、すっかり世帯道具が揃っていた。座布団も鏡かけもぱっとしたメリンスずくめであった。
「――あなたがいらしたってことは、下のお神さんにきいてたんですよ……いかが? お気に入りましたか」
房は、黙って笑った。
「――あなたんとこ、よくこんな綺麗にしていらっしゃること」
女は、嬉しそうに、