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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
線上閱讀三遊亭 金馬《江戸前の釣り(えどまえのつり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,910 字 · 214 頁
それに、そのころでもなかなか見られない乗り合いのホロ馬車があり、ぼくがときどき馭者台に乗って、シンチュウのラッパを吹いてやった。また手こぎの渡し舟、いずれはなくなる運命にあるものだが、東京近くでは珍しかった。
縁というものはあるもので、この馬車屋の馭者が、お人よしのはなし家の先輩・立川談志君の親戚だという。馬もなかなか要領がよく、駅前を出るときだけ駆け出すが、一丁も行かないうちにゆるゆると歩き出す。足の早い釣り師は、馬車を追い越して先へ行く。馬車賃は二十円で、渡し舟は十円であった。今では郡駅といわず、下総神崎駅となった。会長の木内氏宅に寄り、渡し舟で利根を渡って、戸指川まで歩く。水門とバラの間の南側に舟を着けて、ボッタとキジで釣り始める。晴れてはいるが、まわり風で冷たい。コブばかり釣れるので、電線まで行ったが思わしくない。また、前のところに戻る。
三時に納竿して、九十六尾。帰り道、今年こそ利根のスズキとヤマベをやってみたいと話しながら、四時半に木内氏宅へ寄ると、神崎釣友会の連中が集まっている。酒を買ってもらい、飲みながら釣りの話になる。
この土地のフナは、早いときでも、ボッタより細めの小さいキジを二、三びきのチョンがけがつけよいし、また、食いもよいと教えてくれる。