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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁
屋敷町の門前にも盆燈籠を売るあきんどが通った。
白い帷子に水色の羽織を着た外記が門を出た。
八
箕輪のお時の家でも仏壇に精霊棚を作って、茄子の牛や瓜の馬が供えられた。かわらけの油皿には燈心の灯が微かに揺らめいていた。六十ばかりの痩せた僧が仏壇の前で棚経を読んでいた。
回向が済むと、僧は十吉が汲んで来た番茶を飲みながら、きょうは朝から湯島神田下谷浅草の檀家を七、八軒、それから廓を五、六軒まわって来たが、なかなか暑いことであったなどと口では忙がしそうなことを言いながら、悠々と腰を据えて話し込んでいた。寺は下谷にあるが、今どきに珍らしい無欲の僧で、ここらは閑静でいいと頻りに羨ましそうに言った。
「おお、池の蓮が見事に開きましたのう」
彼は帰るきわに蓮池をしばらく眺めていた。いつも気軽な和尚さまだと、帰ったあとでお時が噂をしていた。
※(歌記号、1-3-28)ぼんぼん盆はきょうあすばかり、あしたは嫁のしおれ草。
村の子供たちがこんな盆唄をうたって通った。その群れのあとからお米も来た。
「十さん。まだお寺へ行かないの」
盆の十三日には魂迎えとして菩提寺へ詣るのが習わしである。