輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁

青空文庫

お米と十吉は帰って来た。途中で折りおりに稲妻が飛ぶので、お米は怖がっていた。

内へはいって二人は更に怖いものを見せられた。蒼い蚊帳のなかに、外記は腹を切っていた。綾衣は喉を突いていた。男も女も書置きらしいものは一通も残していなかった。多くの場合、書置きというたぐいのものは、この世に未練のある者が亡き後をかんがえて愚痴を書き残すか、あるいはこの世に罪のある者が詫び状がわりに書いて行くのであるが、二人はこの世に未練はなかった。また懺悔するような罪もないと信じていた。褒めようが笑おうが、それは世間の人の心まかせで、二人の心は二人だけが知っていればいいと思っていたらしい。

お時もやがて帰って来た。かねて彼女をおびやかしていた悪夢がいよいよ現実となったのを知った時に、お時は正体もなく泣きくずれた。死んだ二人の唇に微かな笑みを含んでいるのを見いだしたときに、彼女はいよいよ堪まらなくなって声をあげて泣き叫んだ。

外記の死骸は藤枝家に引き取られたが、綾衣の死骸は浄閑寺に埋められた。新造の綾浪も綾鶴も一応の吟味を受けたが、綾衣の駈落ちや心中に就いて自分たちはいっさい知らないと申し立てた。