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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁
それと同時に、彼はもう少しまじめになって、女を頼らずに生きてゆく方法を考えなければならないと思い立った。
それからいろいろに奔走して、この冬の初めから謡いの出稽古の口を見つけ出した。それは堀田原のある御家人の家で、主人のほかに四、五人の友達が集まって、一六の日に栄之丞の出稽古を頼むということになった。それで乏しいながらも、どうにかこうにか食って行くだけの凌ぎは付けられるようになった。お光の奉公口もここの主人が親切に探してくれたのであった。
「兄さま。なぜこの頃は八橋さんの所へお越しにならないのでございます」
文が来ても、使いが来ても、なるべく避けているらしい兄のこの頃の様子をお光は不思議に思っていたが、栄之丞は妹にその訳を明かさなかった。八橋の方からは時どきに金を送ってくれた。品物も届けてくれた。それを断わるのも辛し、受け取るのも辛いので、栄之丞はそのたびごとに言うに言われない忌な思いをさせられた。
その次郎左衛門にきょう測らずも途中で出逢った。むこうではなんにも知らないような風で馴れなれしく話しかけたが、こっちは気が咎めてならなかった。栄之丞は早々にはずして逃げて来た。