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かはくれいじょう
河伯令嬢
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《河伯令嬢(かはくれいじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,763 字 · 68 頁
(姉めも、病身じゃによって、)と蜘蛛の巣だらけの煤け行燈にしょんぼりして、突伏して居睡る小児の蚊を追いながら、打語る。……と御坊は縁起で云うのですが。
――場所と言い、境遇と言い、それがそのまま、私の、恋の、お優さんの――」
小山夏吉は肩を落して、両手を炬燵にさし入れた。
「電燈が暗くなったようです。……目のせいか知れません。何ですか、小さな紫が、電燈のまわりをちらちらします。
大雨大風になりました。
可心が、翌日、朝がけに志す、滝谷の妙成寺は、そこからわずか二里足らずですが、間道にかかるという。例の荷はあり、宵の間に荷かつぎを頼んで置いたが、この暴風雨では出立出来ようかと、寝られない夢に悩んだ。風は、いよいよ強い、しかし雨は小降になって、朝飯の時、もう人足が来て待っていると、宿で言うので。
杖と並んで、草鞋を穿く時、さきへ宿のものの運んだ桐油包の荷を、早く背負って、髪を引きしめた手拭を取って、颯と瞼を染めて、すくむかと思うほど、内端におじぎをした婦を見ると、継はぎの足袋に草鞋ばかり、白々とした脛ばかり、袖に杜若の影もささず、着流した蓑に卯の花の雪はこぼれないが、見紛うものですか。