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じんだいしのけんきゅうほう

津田左右吉歴史論集

津田 左右吉

線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(じんだいしのけんきゅうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,964 字 · 229 頁

青空文庫

(オロチはこの場合には神である。)宗教上の禁忌を犯しても旅人に宿をかしたり思いびとを家に入れたりした話が、『常陸風土記』や『万葉』にあるのも、同じ意味のこととして考えられる。(勿論これは、一般のならわしとして、神を祭り呪術を行うことが重んぜられていたことを、否定するものではない。)仏教が入って来ても、人生を苦と観じて解脱を求めるような思想は一般にはうけ入れられず、概していうと、仏は現世の、即ち人間としての、幸福を祈る神として見られていた。また儒家の教が知識としては学ばれても、人間性をおさえつける傾向のあるその一面は、実践的には、全くしりぞけられた。具体的に人の行為を規定する儒教の「礼」というものの用いられなかったのも、それとつながりのあることである。例えば、婚姻というものを家に子孫のあるようにし血統をたやさないようにすることを目的とする方法として見るような儒教の思想とそれにもとづいた礼とは、少しもうけ入れられなかった。儒教の婚姻の礼というものを学ぼうとしなかったのは、葬祭の礼が学ばれなかったことと共に、家族制度、家族生活の風習、及びそれに伴うこころもちや考えが、シナ人とは全く違っていたからではあるが、人間性の一つの現われとして両性の間がらを見ていた日本人には、その意味からも儒教の思想と礼とをとり入れること