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〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,004 字 · 156 頁
具体的にいうと、国民的結合の中心であり国民的精神の生きた象徴であられるところに、皇室の存在の意義があることになる。そうして、国民の内部にあられるが故に、皇室は国民と共に永久であり、国民が父祖子孫相承けて無窮に継続すると同じく、その国民と共に万世一系なのである。民族の内部から起って民族を統一せられた国家形成の情勢と、事実において民衆と対立的関係に立たれなかった皇室の地位とは、おのずからかくの如き考えかたに適応するところのあるものである。また過去の歴史において、時勢の変化に順応してその時々の政治形態に適合した地位にいられた皇室の態度は、やがて現代においては現代の国家の精神としての民主政治を体現せられることになるのである。上代の部族組織、令の制度の下における生活形態、中世にはじまった封建的な経済機構、それらがいかに変遷して来ても、その変遷に順応せられた皇室は、これから後にいかなる社会組織や経済機構が形づくられても、よくそれと調和する地位に居られることになろう。ただ多数の国民がまだ現代国家の上記の精神を体得するに至らず、従ってそれを現実の政治の上に貫徹させることができなかったために、頑冥な思想を矯正し横暴または無気力なる為政者を排除しまた職責を忘れたる議会を改造して、現代政治の正しき道をとる正しき政治をうち立てる