輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
りゅうけつせんにしへいく
流血船西へ行く
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《流血船西へ行く(りゅうけつせんにしへいく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,026 字 · 19 頁
船底から中甲板まで戻って来た時だ。
「船長、銃声です!」と伊藤青年がとび出した。
「や、伊藤、君は一緒に来たのか」
「そんな事より、そら、――」
タン! タン※(感嘆符二つ、1-8-75) 左舷の外に鋭い拳銃の音が聞えた。
「短艇で射っているんです」
「――来いッ」
何か起ったと思うより早く、船長は脱兎の如く上甲板へ駈上っていた。――更に梯子を下りると、短艇の中に残された一人が、
「船長、早く来て下さい」
「どうしたんだ、何かあったのか※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「いま本船で銃声と悲鳴が聞えました」
云われて恟としながら見やった、――霧笛がいつか絶えている。
「船長、直ぐ帰りましょう」
伊藤次郎が叫んだ。船長はじめ一同は、追われるように短艇へとび込んだ。――浦島丸の運命が、ありありと伊藤の頭に浮んで来た。何かあったのだ、川本が無電をかけて寄来した時と同じように、自分たちが流血船へ行っている後で、何か怪事が持上ったのだ。怪事……そうだ、海坊主の――。
「ぎゃあ――ッ」霧の彼方から、再び凄じい悲鳴が聞えて来た。船長は身を乗出しながら、
「早く、早くしろ、もっと早く」