輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

よくそうのはなよめ

浴槽の花嫁-世界怪奇実話1

牧 逸馬

線上閱讀牧 逸馬《浴槽の花嫁-世界怪奇実話1(よくそうのはなよめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,908 字 · 96 頁

青空文庫

そして、相手が見つかると、たいがいそこらの物蔭で即座に取引してしまうのだが、契約次第では自室へもともなう。ハンベリイ街二九番の家には、当時この夜鷹がだいぶ間借りしていたので、それらが夜中に客をくわえ込む便宜のために、おもての戸は夜じゅう鍵をかけずにおくことになっていたのだ。つまり、中庭までだれでも自由に出入りできるわけである。

九月八日の深夜だった。

秋の初めで、ロンドンはよく通り雨が降る。その晩も夜中にばらばらと落ちてきたので、三階に住んでいる一人のおかみさんが、乾し忘れたままになっている洗濯物のことを思い出した。洗濯物は、イースト・エンドではどこでもそうやるのだが、窓から窓へ綱を張って、それへ乾すのだ。で、おかみさんは、雨の音を聞くとあわてて飛び起きて、中庭に面した窓を開けた。小雨が降っていたくらいだから真闇な晩だったが、庭へはいろうとする石段の上に、二つの人影がなにか争っているのを認めた。それはふざけ半分のものらしかった。女が低声で、笑いながら「いいえ、いけません。いやです」と言うのが聞えた。相手は男で、異様に長い外套を着ているのが見えた。