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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
線上閱讀葉山 嘉樹《海に生くる人々(うみにいくるひとびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 161,305 字 · 321 頁
白い粉のように、塩がフイていた。が、彼はその靴の事を考えているというわけでもなかった。彼は、それをぼんやりと見入っていた。
ナンバン、大工などの連累者は、ボースンの命乞いを計画して、それぞれ手分けをして頼み回っていた。ことに大工は、船長と同じ国の山口県の者であった。彼は、国者という、――何という哀れな、せせこましい、けちくさいことだろう、――理由で、船長のところへ、日ごろの寵を恃んで出かけて行った。
「お前が、国の者でなかったら、お前も一緒なんだぞ!」大工は、船長にそう怒鳴りつけられて、失望したような、ホッと安心したような、何だか浮き浮きしてうれしそうな気にまでなりながら、おもてへかえって、「だめだった」ことを報告した。そして、心の中では口笛でも吹きたいような元気元気した気になった。
三上は、何とも思わなかった。それは、人のことなのだ! ナンバン、ナンブトーも、同様であった。
読者は、作者に対してこのことで憤っては困る。作者が冷淡にしたわけではないのだ! もしまた、皆がそうでなかったら、ボースンがおろされるようなことも初めっから生じ得なかったろう。