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かいじんべっそう
海神別荘
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《海神別荘(かいじんべっそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,689 字 · 46 頁
二人は床の上、公子の背後に。二人は床を下りて僧都の前に。第一の侍女はその背に立つ。
僧都 は。(大床に跪く。控えたる侍女一、件の錨の杖を預る)これはこれは、御休息の処を恐入りましてござります。
公子 (親しげに)爺い、用か。
僧都 紺青、群青、白群、朱、碧の御蔵の中より、この度の儀に就きまして、先方へお遣わしになりました、品々の類と、数々を、念のために申上げとうござりまして。
公子 (立ちたるまま)おお、あの女の父親に遣った、陸で結納とか云うものの事か。
僧都 はあ、いや、御聡明なる若様。若様にはお覚違いでござります。彼等夥間に結納と申すは、親々が縁を結び、媒妁人の手をもち、婚約の祝儀、目録を贈りますでござります。しかるにこの度は、先方の父親が、若様の御支配遊ばす、わたつみの財宝に望を掛け、もしこの念願の届くにおいては、眉目容色、世に類なき一人の娘を、海底へ捧げ奉る段、しかと誓いました。すなわち、彼が望みの宝をお遣しになりましたに因って、是非に及ばず、誓言の通り、娘を波に沈めましたのでござります。されば、お送り遊ばされた数の宝は、彼等が結納と申そうより、俗に女の身代と云うものにござりますので。