輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《深夜の市長(しんやのしちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,982 字 · 220 頁
市長の鍵で開けても明かないのですか」
「あああ、――イヤ実に参った。実はその『市長の鍵』をどこかへ失してしまったか、盗まれたかしたのだ。昨日になってそれに気がついた。……イヤ弱り果てたよ、中谷君」
「そいつは全く困りましたネ。ここへ来て『市長の鍵』がないじゃ、どうにも納りがつかないじゃありませんか」
と激昂の助役の声に、二人の話はハタと杜絶えてしまった。このT市の首脳部の両人が、蒼白になって睨み合っている光景が椅子の背後を透して見えるようであった。
「オヤ、あすこに誰か居るんじゃないか、中谷君!」
突然市長の声がした。さあもうどうすることも出来ない、百年目である! 僕は覚悟を決めた。名乗りをあげてT市長の面前に立とう。……しかしT市長! 本物の市長なのだ。「深夜の市長」とは訳が違う。そして「深夜の市長」は失踪しているのだ。もしも向い合って立って、有名な写真嫌いの市長の顔が、万一「深夜の市長」の顔に似ていたら、僕は一体どうしたらいいだろうか、僕の全身は火の塊でもあるかのように、ありとあらゆる毛穴から熱汗を噴きだした。
14
「おお、君は誰だ!」
僕は中谷助役のために椅子の蔭から摘みだされた。