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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
線上閱讀森 鴎外《渋江抽斎(しぶえちゅうさい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,525 字 · 334 頁
五郎作が二十六歳の時で、抽斎の生れる十一年前である。これが初代劇神仙である。
五郎作は歿年から推算するに、明和六年の生で、抽斎の生れた文化二年には三十七歳になっていた。抽斎から見ての長幼の関係は、師迷庵や文晁におけると大差はない。嘉永元年八月二十九日に、八十歳で歿したのだから、抽斎がこの二世劇神仙の後を襲いで三世劇神仙となったのは、四十四歳の時である。初め五郎作は抽斎の父允成と親しく交っていたが、允成は五郎作に先つこと十一年にして歿した。
五郎作は独り劇を看ることを好んだばかりではなく、舞台のために製作をしたこともある。四世彦三郎を贔屓にして、所作事を書いて遣ったと、自分でいっている。レシタションが上手であったことは、同情のない喜多村庭が、台帳を読むのが寿阿弥の唯一の長技だといったのを見ても察せられる。
五郎作は奇行はあったが、生得酒を嗜まず、常に養性に意を用いていた。文政十年七月の末に、姪の家の板の間から墜ちて怪我をして、当時流行した接骨家元大坂町の名倉弥次兵衛に診察してもらうと、名倉がこういったそうである。お前さんは下戸で、戒行が堅固で、気が強い、それでこれほどの怪我をしたのに、目を廻さずに済んだ。