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まんかんところどころ

満韓ところどころ

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《満韓ところどころ(まんかんところどころ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 74,601 字 · 148 頁

青空文庫

余はこの車のごろごろ行くところを見て、たり※たりと形容したくなった。※(「車+兒」、第4水準2-89-65)の字も※の字も判然たる意味を知らないのだが、乗ってる人は定めて※たるものに相違なかろうと思ったからである。実を云うと※(「車+兒」、第4水準2-89-65)※たるものは支那の車ばかりではない。こう云う自分もはなはだ危しかった。一望して原だよと澄ましていればそれまでの事で、仰のごとく平らにも見えるが、いざ時間に制限を切って、突切って見ろと云われると、恐ろしく凸凹ができてくる。おいここで馬車の引っくり返る事はあるまいなと番頭に念を押すと、番頭はええ、まあたいてい大丈夫でしょうと云うだけで、けっして万一を受け合わない。どうも並んでいる番頭の座が急に高くなって、番頭そのものが余の方に摺落ちて来そうになったり、またはあべこべに、余が番頭のシャッポの上に顛び落ちそうになるのは心好くないものである。余は神経質で臆病な性分だから、車が傾くたんびに飛び降りたくなる。しかるに人の気も知らないで、例の御者が無敵に馬を馳けさせる。いらぬ事だと冷や冷やしているうちに、一カ所路の悪い所へ出た。