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しょうねん

潤一郎ラビリンスI――初期短編集

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《潤一郎ラビリンスI――初期短編集(しょうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,319 字 · 84 頁

青空文庫

たようなものゝ、こういって眼の前に置いて見ると、有繋良家の子息だけに気高く美しい所があるように思われた。糸織の筒袖に博多の献上の帯を締め、黄八丈の羽織を着てきゃらこの白足袋に雪駄を穿いた様子が、色の白い瓜実顔の面立とよく似合って、今更品位に打たれたように、私はうっとりとして了った。

「ねえ、萩原の坊ちゃん、家の坊ちゃんと御一緒にお遊びなさいましな。実は今日手前共にお祭がございましてね、あの成る可く大人しいお可愛らしいお友達を誘ってお連れ申すようにお母様のお云い附けがあったものですから、それで坊ちゃんがあなたをお誘いなさるのでございますよ。ね、いらしって下さいましな。それともお嫌でございますか」

附添の女中にこう云われて、私は心中得意になったが、

「そんなら一旦家へ帰って、断ってから遊びに行こう」

と、わざと殊勝らしい答をした。

「おやそうでございましたね。ではあなたのお家までお供して参って、お母様に私からお願い致しましょうか、そうして手前共へ御一緒に参りましょう」

「うん、いゝよ。お前ン所は知って居るから後から一人でも行けるよ」

「そうでございますか。それではきっとお待ち申しますよ。