輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

もゆるほお

燃ゆる頬・聖家族

堀 辰雄

線上閱讀堀 辰雄《燃ゆる頬・聖家族(もゆるほお)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 71,309 字 · 144 頁

青空文庫

彼はひとりで顔を赧くしながら、バルコニイへ上って行った。

夫人の「それだけだったの?」を彼はお茶をのんでいる間や、帰途の自動車の中で、しきりに思い出した。その声には夫人の無邪気な笑いがふくまれているようでもあった。また、やさしい皮肉のようでもあった。それからまた、何んでも無いようでもあった。……

※(アステリズム、1-12-94)

翌日、彼が彼女たちの家を訪問すると、二人とも他家へ、お茶に招ばれていて留守だった。

彼はひとりで「巨人の椅子」に登ってみようとした。が、すぐ、それもつまらない気がして町へ引きかえした。そして本町通りをぶらぶらしていた。すると彼は、彼の行手に一人の見おぼえのあるお嬢さんが歩いているのに気がついた。それは毎年この避暑地に来る或る有名な男爵のお嬢さんであった。

去年なども、彼はよく峠道や森の中でこのお嬢さんが馬に乗っているのに出逢った。そういう時いつも彼女のまわりには五六人の混血児らしい青年たちがむらがっているのであった。一しょに馬や自転車などを走らせながら。

彼もこのお嬢さんを刺青をした蝶のように美しいと思っていた。