輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

線上閱讀海野 十三《爆薬の花籠(ばくやくのはなかご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 頁

青空文庫

ああ、だめです、そんなこと。房枝がミマツ曲馬団の生き残り者である間は、どこからかおそろしい悪魔が、今にもとびかかってきそうな姿勢で、こっちをにらんでいるのです。そういう禍をもって、どうしてあたくしが、奥様のおそばへまいれましょう」

房枝は、いつになく、感傷な少女になりきってなげくのであった。

「あーら、房枝さん。泣いたりして、どうしたのよう」

ねむっていると思っていたスミ枝が、むっくり頭をあげて房枝によびかけた。

「あら、スミ枝さん。あたし、泣いてなんかいないわよ」

「あんなことをいっているわ。ああ、よくねちゃった。ここは天国みたいね」

スミ枝は、ベッドから飛び下りた。そして部屋の隅の洗面器の前に立って、鏡に顔をうつして、あかんべえをやった。

「そうそう、房枝さん。その手箱ね。一個所だけ、よせぎれの色がかわっているんだけど、あの爆発で、色がかわってしまったのかしら」

ふしぎなことを、スミ枝がいい出した。

「あら、そんなことがあるかしら。スミ枝さん、それはどこなの」

「ちょっと、ここへ持ってきてごらんなさい」

スミ枝は、ピンを口にくわえて、髪を解きながらいう。