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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

線上閱讀海野 十三《爆薬の花籠(ばくやくのはなかご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 頁

青空文庫

「曾呂利よ。お前は、よっぽど運がいい若者だ」

と、トラ十はエンジンのところにすわりこんで、ひやかすようにいった。

「トラ十、いや丁野船長。お前、よくまあ、こんなりっぱな船を手に入れたもんだなあ。いったいどこで、手に入れたんだい」

帆村探偵は、服のしずくをおとしながら、そういうと、

「な、なんだって」

と、トラ十は、急にこわい目つきになり、

「そ、そんなことは、お前らの知ったことか。よけいな口をきくな」

と、帆村を叱りつけた。

それからしばらく、二人はだまりこんでしまった。

帆村が、じっとみていると、トラ十は、霧の中の海を、また北にむけて舵をとっているのであった。それは、朝日の位置からして、方角がちゃんとわかった。

そのトラ十は、ときどき、霧の中をとおして、日の光を仰ぎつつ、胃袋のあたりを、ジャケツのうえからおさえるのであった。なにか彼は気にしていることがあるらしい。

「おい、曾呂利よ」

「へーい」

「へーい」というへんじが、トラ十の気に入った。

「お前、艫の方をむいて船がとおらないかみていてくれ。おれが、よしというまで、こっちを向いちゃならねえぞ。いいか」

「へーい。