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こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

線上閱讀犬田 卯《犬田卯短編集 一(こぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,259 字 · 96 頁

青空文庫

――さア子、早く、裏の家の自転車でも借りて行って来う。」

庭先に干した小麦束を片づけていたおさよは、言われるなり裏の家へ行って、軒下に乗りすててあった自転車をひっぱり出した。が、大人乗りのその自転車はサドルが高くて足が届かなかった。彼女はまるで曲乗りのような具合に、横の方から片脚を差入れ、右足だけでペダルを踏み、それでも危なげなく吹っとばして行った。

村の医者は往診から帰ったところで、そのまま早速自転車で来てくれた。そして注射を一本打っておいて、それから腹部のものを排渫させると、ヨシ子は呼吸を回復し、少しく元気づいてきた。

「危なかった、生漬の梅だの、腐れかけた李だのを、うんとこ食べていた」と白髪の村医は笑った。

甘酸っぱいような水薬をつくって、その飲み方や、病児の扱い方などを細々と説明して、やがて医者は帰って行った。

その頃、ヨシ子はもう殆んど平常の息づかいになって、すやすやと眠っていた。

ところで、浩平はまだ野良から帰っていなかった。医者がやって来て病児の処置をしているうち、由次は黙って、いつの間にかえったか、風呂の下など焚きつけていたが、「お父は」