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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 頁

青空文庫

いずれ明日御相談いたします。

この頃暑くなって、わたしは一人で万端やるのが、すこし重荷です、そちらに行くと、歯医者、お使い。その上での台所ですから。歯をわるくして今休んでいる女中さんが、もう一ヵ月もしたら来そうで、そうしたら汗の出る間大助りです。夏へばっては仕方がないから。そうすれば、仲々うまく行くということになるでしょう。

薬が買いにくくて困ったこと。全く困りです、ヴィタスなど島田へ伺って見ようかしら。

きょうは咲がいるので、わたしは床から体がはがれなくて。体じゅうはれたようにギゴチなくなって、幾度も幾度も寝つぎして十五時間ばかりねました、ひどいでしょう? ゆうべ九時に床へ入ったのよ。その代り休まってかんしゃくも起りません。熱はいかがでしょう、お大切に。やはり出ましたろうか。

六月八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

六月七日夜

もうすっかり夏になりました、きょうなど、暑かったこと。暑いときに歯のジージーガリガリは一層汗が出ます。きょう、お会いしたのが五時だったのね。それから歯へまわり、かえって夕飯終ったら八時です。

ことしの夏はね、自分がすこし丈夫になったら、悲観のことが出来ました。