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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 頁

青空文庫

という劇、役所のスイセン劇になったそうです。こういう題はパロディーの題ですが、作者ぐるみというのはやはり独特でしょうね。月曜日は九日ね。十日におめにかかります。もう袷におなりになりましたか?

[自注15]奥の手のお望み――転向せよ、という母の希望。

五月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

五月九日  第三十六信

きょうの空は何と青いでしょう。その青空の下に青葉がいかにも爽やかです。ところがその青葉と青空との上に、王子あたりの見当に濛々と煙が立ちのぼっていて、まだ小爆発の音が折々して居ます。夏の白雲のような煙が北に当ってひろがって居ります。飛行機の音がします。つよい風です。

さて、御気分はいかがでしょう。先日うちから気にかかって居り、土曜日のときには実に懸念でした。様々の気くばりやら何やらで本当に御苦労さまでした。私も随分へたばったけれども、そちらは又独特と思われますから。どうか当分大いに悠々と御休養下さい。今は体の苦しいときです。そして気候も大してよくありませんし、手紙なんかどうかお気の向いたとき一筆下されば結構ですから。友人たちにはよくわかるように話しておきましたから、その方も何の心配もありません。