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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《獄中への手紙(ごくちゅうへのてがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,805 字 · 40 頁

青空文庫

これを書いているのは五日の午後四時前。障子を新しく張り代えたので、室内は明るくテーブルの上には赤い梅もどきの一枝がさしてある。火鉢のやかんからは湯気を立て。――かぜがはやって居りますが大丈夫ですか? しもやけなどは出来ませんか。栄さんは早々と耳朶をかゆがって居ります。七日に、本は『世界文学総論』、カーライルの『クロムウェル伝』、『日本書紀』上・中、ポアンカレの『科学者と詩人』、『国富論』上を入れます。私によくわからないので伺いますが、例えば三冊もつづく本を、一時に三冊入れた方が御便利ですか、或は一冊ずつ三度に分けて他のものをいれた方が御便利ですか、このこと、忘れず御返事下さい。地図この次までお待ち下さい。すみませんが。岩波の『哲学辞典』を入れたいと思って居ます。いねちゃんが何かいい本を買ってくれるそうです。

私のかいた第一信は何日かかってお手に入りましたか。キカイ体操はそちらにありますか? レンブラントのエッチングの絵はがきは届きましたか。ロンドンで買ったのが出たのでお目にかけたのでした。亀やの包みは先方であなたからの手紙を見せてくれなければなどと普通でない面倒なことを云ったので手間どり、年末にやっととりました。