輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ごくちゅうき

獄中記

大杉 栄

線上閱讀大杉 栄《獄中記(ごくちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,988 字 · 58 頁

青空文庫

「それからもう一度どこかへはいったな。」

「へえ。」

とうとうその男は恐れ入ってしまった。

「どこだ?」

「千葉でございます。」

窃盗か何かでつかまって、警察、警視庁、検事局と、いずれも初犯で通して来たその男は、とうとうこれで前科四犯ときまってしまった。そして、

「実際あの旦那にかかっちゃ、とても遣りきれませんよ。」

と、さっきから不思議そうにこの問答を聞いていた僕にささやいて言った。

僕の前科

本年の三月に僕がちょっと東京監獄へはいった時にも、やはりこの老看守は、その十二年前のやはり三月に僕が初めて見た時と同じように、まだこの前科割りを続けていた。

「やあ、また来たな、こんどは何だ、大分しばらく目だな。」

老看守はそのますます黒く、ますます醜くなった、しかし相変らず人の好さそうな顔をにこにこさせていた。

僕は今、この老看守に向った時の懐しいしかし恐れ入った心持で、僕自身の前科割りをする。

と言っても、実は本当にはよく覚えていないんだ、つい三、四カ月前にも、米騒動や新聞のことでたびたび検事局へ呼び出されていろいろ糺問されたが、その時にもやはり自分の前科のことは満足に返事ができなかった。