輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《現代忍術伝(げんだいにんじゅつでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 頁

青空文庫

なんてッたって、たゞもう、モーローと平伏ばかりしているでしょう。別室で一人になったりなんかすると、益々あがッちゃって、目も見えず、耳もきこえなくなるんですよ。とても心配で、ほッとかれやしないよ、ねえ」

「アア、ホント。常務が浄まる時にボクたちも浄まッとかないと、なんだ、不敬者だの、汚らわしいのと、うるさいからな」

とフツカヨイの坊介が頭髪を前へたらして、蒼ざめた顔をしかめた。

「ウチの常務は、寝小便をたれた後と、神様の前へでた時だけは、平伏悄然モーローとしているけれども、その他の時はガミガミ口うるさいッたら。ボクたちも一しょに浄まらなくッちゃア、身がもたないよ」

坊介、フツカヨイとはいえ、さすがに芸術家である。胸に秘めたライカに物を云わせたい一念、必死であった。

しかし、神様の使者は厳格であった。

「お前たちは、まだ別室で神事をうけるに至っておらぬ。お前たちが、秘書の役に立たぬにせよ、俗界と神界のことは別の儀である。それすらも、わきまえておらぬ。不敬であるぞ」

ハッタと睨んだ。

「正宗菊松、立て」

声に応じて、立ち上ろうとした。しかし、魂をぬかれたせいか、腰も、足も、フヤラフヤラと力がこもらない。