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げんだいぶんがくのひろば
現代文学の広場
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《現代文学の広場(げんだいぶんがくのひろば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,491 字 · 19 頁
けれども、文学者として、創作されつつある文学的成果が、同じひとの社会的行為としての平和運動への参加などと、まるでかけはなれたものであるとしたらどうだろう。場合によっては、彼の署名そのものを否定しているような客観性をもつ作品であるとしたら、その矛盾は何と見られたらいいのだろうか。科学の研究は、その方法において個人の才能の発揮さえも集積的な経過をとる。文学の作品がうまれる過程は、どんなに社会的であるにしろ個人的である。(佐多稲子が「わたしたちの文学」で云っているとおり創作の過程、手つづきとしてはそうである)。だが、文学は、遂にはそこにとどまらないで社会的なものとして実在しつづける。古典文学が歴史に耐えて生きつづけている秘密はここにある。そのように、文学はどんなに社会的であっても個人としての過程を通過してでなくては生れず、社会的なものとして実在することもあり得ない本質であるからこそ、現代文学に求められている社会性の課題の困難は複雑なのである。
これは、文壇的な経歴の中にある作家ばかりが感じている困難ではない。民主的な文学の領野にも深刻にあらわれている。