輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

線上閱讀岡本 かの子《生々流転(しょうじょうるてん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 297,521 字 · 586 頁

青空文庫

すると向うからも中心の気持には刻み込まない冗談のような返事を寄越します。どんな事情があったにしろ、女にとって馴染の男というものは、その馴染ということだけでなか/\気持が抜けられないものでございます。

こうした人達とは違った意味の馴染ではありますが、わたくしは学園の旧級友の吉良や、義光や、八重子にもとき/″\旅先で買って来た絵葉書なぞなつかしく書いて出すのでした。これらの人たちには文句の端に必要あって職業に就き度いから、もし、めい/\の父親を通じて、自分に向きそうな職業でもあれば知らせて欲しいとも書き添えたのでした。三人は親切な返事を呉れて、わたくしの求めは必ず探して知らせて呉れるといって来ました。わたくしはそれを見て、まだ無邪気の垣の内に残っている子供たちを瞞して木の実を拾わせ自分はその圏外にいて受取る狡い大人になったような気がして幾分心は痛みます。

夏も盛りになり、両国の川開きが催される頃になりました。こどものときから毎夏、川沿いの知合の家のどこからかで屹度、招いて呉れ、毎夏見物を欠かしたことのない川開きの花火でした。もっとも歳の長けるにつれあの襲われるような賑かな魅力は失って来ましたものゝ、ひと歳見なければ揃ったものの中を抜かしたような物足りない感じがする都会の年中行事の一つでした。