輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はっけっきゅう
白血球
豊島 与志雄
線上閱讀豊島 与志雄《白血球(はっけっきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,538 字 · 24 頁
「お父さんは駄目だよ。」と晋吉は叫んだ。「お化の手附なら僕の方がうまいや。」
晋吉は両手でいろんな恰好をして、様々の幽霊の手附をしてみせた。
「嫌ですよ、坊ちゃまは。そんなことをなさると、今に本物が出ますよ。」
だが、慴えてるのは清ばかりではなかった。
或夜中に、突然の鋭い叫び声のために、晋作と秋子と綾子までが眠りから覚まされた。見ると、晋吉が其処につっ立っていた。没表情な顔で石のように固くなっていた。漸くにまた寝かしたが、物に憑かれたような眼を長く見開いていた。――影が無くなった夢をみたのだそうだった。自分の影がなくなって、何処に写しても出て来ないので、一生懸命にその影を探し廻ってると、急に恐くて堪らなくなったのだそうだった。
「影ばかりでなく、今に晋ちゃんご自分も呑まれてしまうわ。」
綾子が震えながらそんなことを云い出した。
ぞっとするような静けさだった。眠れないでいるうちに、柱時計が四時を打った。それから時計の振子の音が耳について、晋作は朝まで眠れなかった。
「俺まで何だか変だぞ。」
と気がついてみると、晋吉の夢が妙に気にかかった。女中部屋にいつも明るい電燈をつけ放しなのがいけないのじゃないかしら、とそんな馬鹿げた考えまで起った。