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はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《白髪鬼(はくはつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 頁

青空文庫

わしがそれまでに持出したのは、主として紙幣や金貨であったから、宝石類はそっくりそのまま残っている。しかもわしは予め布袋を破って、無数の珠玉を、河原の砂の様に、棺の上面へ並べて置いたので、薄暗い蝋燭の光とは云え、棺の中は、まるで天井の星を一ところに集めたかと疑われる美しさであった。そこを覗き込んだ瑠璃子が、「マア……」と息を呑んで、一刹那化石した様に動かなくなったのも決して無理ではなかった。

「見ていないで、触ってごらん。ガラス玉やなんかでないのだよ。一粒一粒が一身代に相当する程の名玉ばかりなのだよ」

わしに云われて、瑠璃子はやっと正気に返った様に、オズオズと手を伸ばして、宝石を掴み上げた。掴み上げてはサラサラとこぼし、掴み上げてはサラサラとこぼした。その度毎に、彼女のしなやかな白い指のまわりに、五色の虹が立つのであった。

「マア、この宝石が、みんなあなたのもの?」

流石の妖婦も、目がくらんで、放心して、子供みたいな口の利き方をした。

「ウン、わしのものだよ。そして、今日からは、わしの妻であるお前のものだよ。これがみんなお前の好き勝手に出来るのだよ」

「マア、嬉しい!」