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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《白髪鬼(はくはつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 頁
蝋燭の光は、さい前わしが破った棺も照らしていた。わしはそれを見た。すると、そのすぐ横に、もう一つ、蓋のとれた大寝棺が転がっているではないか。
オヤ、わしの外にも、生埋になった奴があるのかしらんと不思議に思って、目をこらすと、棺の中には、何やらウジャウジャと入っている。死骸ではない。キラキラ光るものだ。
地面にも、それがこぼれ落ちて、まるで金色の砂の様に、美しく光っている。
わしは「アッ」と声を上げて、駈け寄った。地面の砂金をすくい上げた。棺の中の光る物を手にとった。
金だ。金貨だ。日本のもの、支那のもの、どこの国とも分らぬもの、大小様々の金貨、銀貨、指環、腕環、種々様々の細工物、鹿皮の袋を開けば、目もくらむ宝石の数々。恐らく何十万円という財宝だ。ひょっとしたら、もう一段桁が違うかも知れない。
わしは、フラフラとめまいがした。嬉しいどころか、恐ろしかった。なぜといって、こんな場所に、その様な財宝が貯えてある筈がないからだ。穴蔵の恐怖に耐えかねて、わしの頭がどうかしたのだ。夢を見ているのだ。でなければ、気が違ったのだ。
わしは頬をつねって見た。コツコツと頭を叩いて見た。