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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《白髪鬼(はくはつき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,046 字 · 224 頁
そして、間もなく、以前はわしと瑠璃子の寝室であった西洋館の窓に、パッと明るい光がさした。黄色いブラインドに黒い影法師が二つ。云わずと知れた瑠璃子と川村だ。
わしはもうこれ以上彼等の痴態を見るに耐えなかった。恐ろしかった。だが、恐ろしければ恐ろしい程、わしの足は、その場を立去りはしないで、却て、抜足さし足彼等の影法師へと近づいて行った。
影法師は、みだりがわしき影芝居の様に、ついたり離れたりして、わしの頭をかき乱した。
わしは歯ぎしりをしながら、こぶしを握りしめながら、窓へと近づき、浅間しくもブラインドの隙間から、寝室の中を覗き込んだ。
そこで何を見たかは云うことが出来ない。皆さんの御想像に任せる。二匹の世にも美しいけだものが、絵の様にもつれ合っていたのだ。
心は醜いけだものの癖に、彼等の顔や身体の輝くばかりの美しさはどうだ。愛らしさはどうだ。そんなにされても、わしには、瑠璃子が日本一の美人に見えた。相手の川村義雄もそれに劣らぬ美しい男だ。天は何ぜなれば揃いも揃った極重悪人に、かくも美わしき肉体を附与し給うたのであろう。
彼等の美しさに引かえて、窓の外から覗いていたわしは、まるで別世界の生物のように、醜く、恐ろしく、みじめであった。