輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ゆり
百合
線上閱讀芥川 竜之介《百合(ゆり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,400 字 · 9 頁
彼はその畦を覗きこんだ。そこには金三の云った通り、赤い葉を巻いた百合の芽が二本、光沢の好い頭を尖らせていた。彼は話には聞いていても、現在この立派さを見ると、声も出ないほどびっくりしてしまった。
「ね、太かろう。」
金三はさも得意そうに良平の顔へ目をやった。が、良平は頷いたぎり、百合の芽ばかり見守っていた。
「ね、太かろう。」
金三はもう一度繰返してから、右の方の芽にさわろうとした。すると良平は目のさめたように、慌ててその手を払いのけた。
「あっ、さわんなさんなよう、折れるから。」
「好いじゃあ、さわったって。お前さんの百合じゃないに!」
金三はまた怒り出した。良平も今度は引きこまなかった。
「お前さんのでもないじゃあ。」
「わしのでないって、さわっても好いじゃあ。」
「よしなさいってば。折れちまうよう。」
「折れるもんじゃよう。わしはさっきさんざさわったよう。」
「さっきさんざさわった」となれば、良平も黙るよりほかはなかった。金三はそこへしゃがんだまま、前よりも手荒に百合の芽をいじった。しかし三寸に足りない芽は動きそうな気色も見せなかった。
「じゃわしもさわろうか?」